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2024年2月1日 片田 聡

日本外務省関係者のKarpowership社の発電船への訪問

日本外務省関係者のKarpowership社の発電船への訪問

もう昨年の12月の話になりますが、日本の外務省の関係者の方々を当社のLNG発電船事業のパートナーであるKarpowership社の発電船事業の拠点として機能している造船所Karmarineお迎えして、同社の最大級の発電船の1隻を見学して頂きました。 来場者は、大型ばら積み貨物船が発電所として使用され、貨物倉に発電機が積まれ、高圧変電施設が船上に設置されていることを見て非常に驚いておられました。

中古船に大型発電機を搭載して発電船事業を行うという発想は非常に斬新で、事故リスクを嫌う当社の様な日本の海運会社には社内にそんな発想を持った人がいたとしても、それが事業として実現することはないとでしょう。その点で、私はこのビジネスを可能にし、世界で唯一の発電船運航会社であるKarpowershipを本当に尊敬しています。 商船三井は現在、Karpowership社と協力してLNG発電船事業を推進しています。 商船三井は退役間近のLNG船をFSRUに改造して本プロジェクトに提供しています。

Karpowershipは、さまざまな発電能力を備えた多数の船舶を保有しており、短納期、短期から長期までの契約期間で必要な電力を供給できる利点を持っています。 また、発電船への改造から送電網への接続、実際の発電までを自社で行うビジネスモデルは、他の追随を許さない強みとなっています。

現在、商船三井はこの発電船事業だけでなく、ノルウェーのEnviroNor社との海水淡水化事業にも参入しようとしています。 この事業では、中古タンカーの船上に海水淡水化設備を搭載したFDV(Floating Desalination Vessel)に改造することを計画しています。 現在、ヨーロッパやアフリカでの事業展開に向けて、様々な関係者との打ち合わせを継続して行っております。

この2つの事業の経験から、商船三井の事業では今後も「動かない船」と「運ばない船」の事業が増えていくと思います。船の寿命は一般的に20~30年と言われていますが、移動する必要がなければ100年近くも使うことはできると考えられます。 今後も船内に機械等を搭載した船を利用したビジネスは拡大していくものと思われます。私も何かアイデアを見つけてビジネスにできたら嬉しいです。